【ナビ派】隠れた人気画家ピエール・ボナールのかわいい犬たち

あなたは「ピエール・ボナール」という画家をご存知でしょうか。

 

アートをかじっている方なら

「あの、妻の入浴シーンをひたすら描いたちょっとエッチな画家でしょ?」

なんて答えも返ってくるかと思います。

しかし普段アートになじみの無い方にとっては、あまり聞いたことがない画家ですよね。

 

ところが、フランスの有名な美術館、オルセー美術館の企画展では、あのゴッホに続いて歴代2位の動員数を記録した大人気有名画家なんです。

なんでこんなに人気なのかというと、動物が好きなら絵を見るとすぐ納得します。

 

『白い猫』ピエール・ボナール | ピエール・ボナール展

こんなおもしろい形をした猫を描いたり、

 

 

『洗濯女』ピエール・ボナール

こんなセンスのある犬のポスターを描いたりしている画家なんです。

 

 

*超オシャレ*

 

ね、人気の理由分かったでしょ?

 

ということで今回は、ナビ派の超おしゃれな画家「ピエール・ボナールの犬作品」をご紹介します!

ピエール・ボナールってどんな人?

名前ピエール・ボナール
生没年1867年 – 1947年
影響を受けた画家ポール・セリュジェ
学校エコール・デ・ボザール
代表作『白い猫』(1894)
『猫と女性 あるいは 餌をねだる猫』(1912)

19世紀から20世紀フランスのナビ派の画家。

日本美術から強く影響を受け、「日本かぶれのナビ」と呼ばれています。

先述した通り、妻のマルトの入浴シーンを描いた作品が有名。

 

略歴

年齢出来事
1867年0歳フランスのフォントネー=オー=ローズで生まれる。
1889年22歳エコール・デ・ボザールに入学
1893年26歳後に妻となるマルトに出会う
1947年80歳逝去

画風

装飾性と内面性が表れている画風を傾向とするナビ派。

鮮やかな色彩とオリジナル性あふれる画風が特徴的。

日本美術に強く影響を受け、多色刷りをした屏風のような作品も残しています。

グラフィズムなポスター画、エロティシズムなヌードの画でも有名な画家です。

また、身近な動物たちを良く描いていたことから「親密派」とも呼ばれています。

 

代表作

『猫と女性あるはい餌をねだる猫』ピエール・ボナール | 国立新美術館
作品名猫と女性あるはい餌をねだる猫
製作年1912年
所蔵オルセー美術館
サイズたて 78 × よこ 77.5 cm

 

『白い猫』ピエール・ボナール | ピエール・ボナール展
作品名白い猫
製作年1894年
所蔵オルセー美術館
サイズたて 51.9 × よこ 33.5 cm

ピエール・ボナールの犬作品

庭の女性たち

『庭の女性たち』ピエール・ボナール | クラシック音楽とアート
作品名庭の女性たち
製作年1890 – 1891年
所蔵オルセー美術館
サイズたて 160 × よこ 48 cm

犬が描かれているのは、一番左の『白い水玉模様の服を着た女性』の作品。

まるで踊っているかのような、のびのびと描かれた犬の手足、体、耳が見ていてなんとも心地いいです。

色使いもステキ。

 

「日本かぶれのナビ」と言われているボナールですが、その理由がこの作品によく表れています。

例えば、女性が着ている服。

水玉模様や格子模様の服たちは、日本文化の影響です。

また、作品の形を見て何かに似ていると思いませんでしたか?

縦長の作品が4つあるのは、もともとは屏風にしようと思ったからなんです。

 

ボナールがどんな作家かイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

それでは次の作品。

 

2匹のプードル犬

『2匹のプードル犬』ピエール・ボナール | ネット美術館「アートまとめん」
作品名2匹のプードル犬
製作年1891年
所蔵サウサンプトン市立美術館
サイズたて 37 × よこ 39.7 cm

おなかを見せて遊ぶプードル、飛び跳ねて遊ぶプードル。

2匹のポーズが対になっていますね。

モデルの犬は、ボナールの愛犬「ラヴァジョー」だとされています。

どちらかまではわかりません。

ボナールは愛犬家なので、後に別の犬が作品に登場します。

お楽しみに。

 

犬と女

『犬と女』ピエール・ボナール | はてなフォトライフ
作品名犬と女
製作年1891年
所蔵クラーク美術館
サイズたて 41 × よこ 32.5 cm

2人の女性と同じように目を閉じて、顔を寄せ合う犬。

ボナールの絵には「人と動物」の親密さが滲みでています。

こうして身近な動物を作品にすることが多かったボナールは「親密派」とも呼ばれています。

 

親密派って何?
室内風景や家庭生活などの身近な題材に個人の内的な感覚を反映させ、情感あふれる描写で表わす絵画の傾向。(アートスケープより)

 

ちなみに、ここでもボナールの日本かぶれ感が出ています。

モチーフが画面の上から下へ積み重なる構成や、女性の格子柄の服、菊のような花は日本美術、浮世絵からの影響です。

日本がよっぽど好きなんですね。

 

黄昏(クローケーをする人々)

『たそがれ(クローケーをする人々)』ピエール・ボナール | ネット美術館「アートまとめん」
作品名『黄昏(クロッケーをする人々)』
製作年1892年
所蔵オルセー美術館
サイズたて 130.5 × よこ 162.2 cm

ボナール家の人といっしょにクロッケーを楽しむ犬。

「クロッケー」とはゲートボールのような球技です。

デジタルだと分かりにくいですが、あらゆる緑色が使われているおもしろい作品。

犬はジャック・ラッセル・テリアでしょうか?

 

さびれた街の2匹の犬

『さびれた街の2匹の犬』ピエール・ボナール | 美術散策の休日
作品名さびれた街の2匹の犬(デサーテッド通りの2匹の犬)
製作年1894年頃
所蔵ナショナル・ギャラリー
サイズたて 35.1 × よこ 27 cm

デサーテッド通りにたたずむ2匹の犬。

鮮やかな装飾性と作者の内面性が表れる絵が特徴であるナビ派。

装飾性が映える大きな絵画を描いた一方で、こういったわずかB5サイズの小さな作品も描いていました。

ナビ派は舞台美術や服飾デザインも手がける「場」を選ばないアート集団でした。

 

ナビ派って何?
パリのアカデミー・ジュリアンに通う若い画家たちによって結成された集団(アートスケープより)

 

通りの光景、クリシー広場

『通りの光景、クリシー広場』ピエールボナール | ネット美術館「アートまとめん」
作品名通りの光景、クリシー広場
製作年1895年頃
所蔵メトロポリタン美術館
サイズたて 36.3 ×よこ 27 cm

手前で遊ぶ2匹の犬。

場所はボナールが借りたアトリエの近所のようです。

この犬もプードルでしょうか?

乳母たちの散歩、辻馬車の列

『乳母たちの散歩、辻馬車の列』ピエール・ボナール | 西洋絵画
作品名乳母たちの散歩、辻馬車の列
製作年1895 – 1896年
所蔵ニューサウスウェールズ州立美術館
サイズたて 約134 × よこ 約46 cm

お母さんと子供たちの間に2匹の犬、奥の牛車の近くに5匹の犬。

5色刷りのリトグラフを、屏風のような形で仕上げています。

 

実は作品の中に”3人”の子供がいるんですが分かりますか?

アフロの少年と帽子をかぶった少年ともう一人。

二人の目線を追っていくと、、、白い部分に靴を履いている子供が隠れています。

こういうのもデジタルでは分かりにくいので、できれば直接美術館に足を運んで見ていただきたいですね!

 

ボナール作品の中で1番のお気に入りです。

 

ブルジョワ家庭の午後 あるいはテラス一家

『ブルジョワ家庭の午後 あるいはテラス一家』ピエール・ボナール | artchive.ru
作品名ブルジョワ家庭の午後 あるいはテラス一家
製作年1900年
所蔵オルセー美術館
サイズたて 139 × よこ 212 cm

左下に2匹、奥のとびらの前に1匹。

家族が集まる団らんの場所ですが、どこかよそよそしい雰囲気。

心理的に距離があるブルジョワ家庭の様子を描いた怖い絵。

 

ちなみにボナールは犬以外に猫も描いていますが、猫は野良猫だったそうです。

そのため、猫の名前は分からないんだとか。

 

赤い格子柄のテーブルクロス

『赤い格子柄のテーブルクロス』ピエール・ボナール | 原始的幻視鑑賞録
作品名赤い格子柄のテーブルクロス
製作年1910年
所蔵個人蔵
サイズたて 83 × よこ 85 cm

マルトの顔をじっと見つめる犬。

「マルト」とはボナールの奥さんで、入浴シーンをよく描かれています。

 

この作品も、人と犬との親密性が表れていますね。

平面的で格子柄のテーブルクロスは日本美術、立体的な食器は西洋美術の表現といった感じです。

何気にボナールらしさが詰まった一作。

 

コーヒー

『コーヒー』ピエール・ボナール | Swissinfo
作品名コーヒー
製作年1915年
所蔵
サイズ

コーヒータイムを楽しむ犬。

先ほどの作品と同様、赤と白の格子柄のテーブルクロスがあります。

1910年から1950年の作品でテーブルクロスがしばしば描かれていました。

犬の名前はおそらく「ユビュ」、女性は「マルト」です。

 

犬を抱く女

『犬を抱く女』ピエール・ボナール | Deskgram
作品名犬を抱く女
製作年1922年
所蔵フィリップス・コレクション
サイズ

マルトに抱かれた犬。

制作年は離れていますが、こちらもボナールの愛犬「ユビュ」。

よく見ると犬の表情が見えないちょっと不気味な絵。

 

この作品にはこのような逸話があります。

1925年、カーネギー国際美術展で「犬を抱く女」が出展されました。

大富豪のフィリップスはこの作品に一目惚れ。

展覧会を途中で引き上げて、自分の美術館に持ってくるよう無茶振りしたそうです。

すごい話。

 

浴槽の裸婦

『浴槽の裸婦』ピエール・ボナール | pcstore.com.tw
作品名浴槽の裸婦
製作年1940 – 1946年
所蔵カーネギー美術館
サイズたて 122.5 × よこ 150.5 cm

入浴中の女性のそばにいる犬。

ボナールといえば、入浴中の女性を描いた作品が有名です。

お風呂に入るのが好きだった妻マルトの入浴シーンをよく描いていました。

 

それではマルトとボナールの夫婦仲は良かったか?

実はボナール、マルトの友人と浮気していたのです。

 

それを聞いてこの作品を見ると、どこか不思議な箇所がありませんか?

絵をよく見ると顔がよくわからない状態で仕上がっています。

妻にはモデルになっていると思わせ、実は浮気相手をモデルに描いていたのかもしれないのです。

なんとも怖い絵に見えてきます。。。

さいごに

ピエールボナールのことをもっと知りたいという方にはこちらの本がおすすめです↓

 

また、この本も参考にして記事を書きました↓

 

ナビ派までの流れを汲んだ「印象派」の犬の作品はこちら↓

【犬で学ぶ】印象派の画家が描いたかわいい犬たちの作品まとめ

 

ポスト印象派の画家ポール・ゴーギャンが描いた犬の作品はこちら↓

30匹以上の犬を作品に描いたゴーギャンは愛犬家だった?

 

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