【浮世絵】歌川広重&国芳のかわいい江戸っ子犬

みなさん、「浮世絵」を見るのはお好きですか?

おそらく好きという方が結構おられるのではないでしょうか。

教科所にのっている浮世絵なんか、先生の話を聞かずにずっと見ていたでしょ?

今回はそんなおもしろくてついつい見ちゃう「浮世絵」の「犬」をご紹介します!

紹介するのは浮世絵で名をはせた2人の画家「歌川広重と歌川国芳」。

歌川広重は小学校で習うくらいとても有名な画家で、あのゴッホやモネに影響を与えたとすごい人物です。

一方、歌川国芳はネコの絵や人でできた人の絵など、おもしろい作品を数多く残した画家です。

歌川コンビと浮世絵の世界へようこそ。

そもそも浮世絵って何?

ブリタニカ国際大百科事典によると浮世絵は、

江戸時代に発達した風俗画の一様式。遊里と芝居町に代表される都市の歓楽境,いわゆる「浮世」に取材し,主要な表現手段として大量生産のできる版画形式を用いた点に特色がある。

なんて難しいことが書かれています。

めちゃくちゃかみ砕いて説明すると、イケメンや美女、好きなものなどを版画か肉筆画で描いたものが浮世絵です。

歌川広重の犬の作品

名所江戸百景 高輪うしまち

『名所江戸百景 高輪うしまち』歌川広重 | アダチ版画
作品名名所江戸百景 高輪うしまち(めいしょえどひゃっけい たかなわうしまち)
製作年1857年
所蔵太田記念美術館
サイズ

舞台は江戸湾、空にかかった虹を見つめる2匹の犬。

茶色の犬は旅人が捨てたわらじをかじかじしています。

『名所江戸百景 高輪うしまち』歌川広重 | アダチ版画

アップにした画像です。なんてかわいいんでしょう。

そばにあるスイカは食べたんですかね。

こういうカラフルで親しみやすい絵が多いのが浮世絵です。

新板手遊尽し

『新板手遊尽し』2代目歌川広重 | くもん子ども浮世絵ミュージアム
作品名新板手遊尽し(しんばんてあそびづくし)
製作年1844 – 1846年
所蔵公文教育研究会
サイズ

おもちゃに紛れて白い子犬が1匹。

どこにいるか分かりますか?真ん中の傘の下にいるのがそうです。

「手遊び」とは「おもちゃ」のことで、全部で60個以上あります。

色といい、配置といいセンスあるなあ。

名所江戸百景 びくにはし雪中

『名所江戸百景 びくにはし雪中』歌川広重 | アダチ版画
作品名名所江戸百景 びくにはし雪中(めいしょえどひゃっけい びくにはしせっちゅう)
製作年1858年
所蔵太田記念美術館
サイズ

店の前に集まった白い犬が2匹と茶色の犬が1匹。

左にある「山くじら」という店は「イノシシ鍋」の店だそうです。

では右の、「◯やき 十三里」とはなんという店でしょう?

正解は…「やきいも屋」です!

野良犬が集まってくるということは、ちょいちょいもらっていたんでしょうね。

さて、足が埋まってしまうほどの雪ですが、実はこの雪、和紙の色を活かしてそのまま雪の表現に使ったそうです。

おもしろいことをするなあ。

歌川国芳の犬の作品

鎮西八郎為朝 疱瘡神

『鎮西八郎為朝 疱瘡神』歌川国芳 | サイエンスウィンドウ – 科学技術振興機構
作品名鎮西八郎為朝 疱瘡神(ちんぜいはちろうためとも ほうそうしん)
製作年1849 – 1852年
所蔵東京都立中央図書館特別文庫室
サイズ

お調子者の顔をした犬張り子。

「疱瘡」とは「天然痘」という伝染病のことで、この厄を除けるためのおまじないとした疱瘡絵が当時流行りました。

この伝染病の疫病神として描かれているのが、黄色い着物をきた老婆と赤の着物をきたこども。

「もう悪さはしない」という証に二人の手形がおされた紙が源為朝に渡されています。

構図が少し分かりにくいですが、2人の疫病神のまわりにいる変な生物たちは、源為朝の仲間です。

熊は金太郎の代役っぽいですね。

『鎮西八郎為朝 疱瘡神』(部分)歌川国芳 | サイエンスウィンドウ – 科学技術振興機構

アップにした画像。

この犬がかわいいんだわ。

目じりも上がっちゃって完全にお調子者の顔をしています。

「あらよっと!これにて一件落着!」とでも言ってそう。

新板子供遊び之内 雪遊び

『新板子供遊び之内 雪遊び』歌川国芳 | 足立区綾瀬美術館
作品名新板子供遊び之内 雪遊び(しんばんこどもあそびのうち ゆきあそび)
製作年1841-1842年
所蔵ギャラリー紅屋
サイズ

子供たちと雪遊びをする犬たち。

画質が少し粗いですが、どこにいるか分かりますか?

右上にいる、黄色い犬と白い犬がそうです。

昔の子供たちは野良犬と遊んでいたんですね。

今は野良犬がいないので、少しうらやましいです。

春の夜げしき

『春の夜げしき』歌川国芳 | WEB浮世絵美術館
作品名春の夜げしき(はるのよるげしき)
製作年1844 – 1846年
所蔵国立国会図書館
サイズ
華やかな着物を着て縁日に来た女性のそばに犬2匹。
色味のないその姿は完全に女性の引き立て役になっています。
国芳が描く犬はあまりかわいらしさはないですね。
ネコの絵はかわいいのに…。

道外 獣の雨やどり

『道外 獣の雨やどり』歌川国芳 | アトリエ・リュス – Jugem
作品名道外 獣の雨やどり(どうけ けもののあまやどり)
製作年1842年
所蔵ギャラリー紅屋
サイズ

雨宿りをする獣たちの中に1匹の犬。

左端で体育座りをしているのがそうです。

犬の他には、猫や牛、猿、虎、イノシシなど全部で16匹!

こういう少し変わった作品を描くのが歌川国芳です。

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