みなさん、「リンパ」というものはご存知でしょうか?
琳派とは、技法,表現ともに伝統的なやまと絵を基盤とし,画面の豊かな装飾性が特色とする流派。(ブリタニカ国際大百科事典より)

簡単に言えば、このような
・分かりやすい
・おしゃれ
で人気を博した流派が「琳派」です。
今回はそんな「琳派」の祖と言われている「俵屋宗達」が描いた犬の作品をご紹介します!
上の『風神雷神図屏風』を描いたのも俵屋宗達です。
俵屋宗達ってどんな人?
名前 | 俵屋宗達(たわらや そうたつ) |
生没年 | 1570年頃 – 1640年頃 |
代表作 | 『風神雷神図屏風』(寛永年間中頃) 『蓮池水禽図』(元和年間前半頃) |
江戸時代初期の画家。
尾形光琳、酒井抱一などを生んだ琳派の祖と言われています。
知名度の高さに反して、その生涯に不明が多いミステリアスな画家。
当初は評価されていませんでしたが、大正2年の「俵田宗達記念会」で若い画家たちに影響を与え、再評価されました。
略歴
年 | 年齢 | 出来事 |
1570年頃 | 0歳 | 生まれる。(正確な生まれ年は分かっていない。) |
1602年 | -歳 | 平家納経の修復に関わる。 |
1614年 | -歳 | このころには「俵屋宗達」と名乗っている。 |
1630年頃 | -歳 | 法橋の位が与えられる。 |
1643年 | -歳 | この年に亡くなったという説がある。 |
画風
大和絵を基調とした、デザイン性、装飾性に優れた画風が特徴的。
キラキラして、分かりやすく、おもしろい作品が多いことから人気です。
この画風は後に「琳派」と呼ばれ、尾形光琳や本阿弥光悦といった琳派の画家たちの「祖」にあたります。
また、「たらしこみ」という手法も生み出しました。
代表作

作品名 | 風神雷神図屏風 |
製作年 | 17世紀 |
所蔵 | 京都国立博物館 |
サイズ | たて 169.8 x よこ 154.5 cm |

作品名 | 蓮池水禽図 |
製作年 | 17世紀 |
所蔵 | 京都国立博物館 |
サイズ | たて 117 × よこ 50.9 cm |
俵屋宗達の犬作品
犬図

作品名 | 犬図(いぬず) |
年代 | 17世紀前半 |
所蔵 | – |
寸法 | たて 90.3 × よこ 45.0 cm |
まるまるとしたシルエットの黒い子犬。
手前に見えるのはたんぽぽやわらびなどの春の植物。
春の匂いにつられよちよちと歩いているのでしょうか、かわいい。
この作品は、琳派の画の特徴である「たらしこみ」の手法が用いられています。
たらしこみとは
色を塗ってまだ乾かないうちに他の色をたらし、そのにじみによって独特の色彩効果を出すもの。(大辞林 第三版より)
双犬図

作品名 | 双犬図(そうけんず) |
年代 | 17世紀前半 |
所蔵 | – |
サイズ | – |
じゃれ合う二匹の子犬の画。
黒犬は手触りのよさそうな質感のある作品です。
脚の毛並みが細かく表現されています。
この俵屋宗達の『双犬図』ですが、同じ名前で別の作品もあります。それがグッズ化されたのが下のワッペンです。京都の細見美術館の監修・公認グッズ。
▲じゃれあう2匹。白い犬は細目で笑い、黒い犬は眠たげ。
狗子図

作品名 | 狗子図(くしず) |
年代 | 17世紀前半 桃山~江戸時代初期 |
所蔵 | 神奈川県立美術館 |
サイズ | たて 90.3 ×よこ 45 cm |
何もない空間に牛柄模様の子犬が一匹。
地面のについた何かの匂いを熱心に嗅いでいます。
犬図と同じような姿でもう一作描くということは、よっぽど犬が好きだったことが分かります。
犬図(扇面散貼付屏風より)

作品名 | 犬図(扇面散貼付屏風より) |
製作年 | 17世紀 |
所蔵 | 醍醐寺 |
サイズ | – |
白い犬と首が180°回転した黒ぶちの犬。
実はこの絵、『九相詩絵巻』の一場面を元にした作品で、俵屋宗達は個展絵巻を元に絵を描くことが多いです。
しかし、この作品は元の絵と結構違います。
元の絵は犬が死骸を食い荒らすかなり残酷な絵ですが、見て分かる通りこの絵に死骸はありません。
宗達のアレンジでおもしろい構成になっています。
さいごに
まずはこんな本から始めるのはどうでしょう?
長澤蘆雪の犬が好きならこちら