実際の犬をモデルにした映画『ロック わんこの島』は忘れてはいけない

みなさんは、2000年８月に何が起きたかご存知ですか？

その年、東京から船で６時間半ほど離れたところにある「三宅島」では火山の噴火が起こりました。

死者１名、負傷者15名を出した災害です。

噴火後、島民の方に避難勧告が出され、数年間、島の外での生活を余儀なくされました。

今回ご紹介する映画は、三宅島で起きた噴火で被災した家族と犬のお話を元にして作られた作品です。

被災された方にとって一番辛いことはなんだと思いますか？

『ロック わんこの島』の作品情報

『ロック わんこの島』のあらすじ

三宅島で民宿を営む野山家の長男・芯は、おばあちゃん犬のハナから生まれた犬にロックと名付け、育てていた。

しかし、2000年8月、三宅島・雄山が大噴火を起し、野山家は島外避難をすることになり、ロックとはぐれてしまう。

果たして、野山家はロックに会うことができるのか。三宅島に帰ることはできるのか。

『ロック わんこの島』に登場する犬

本作のタイトルにもなっているゴールデンレトリバーのロック。

主人公の祖母の犬ハナが子供を産むとき、難産のせいで生まれてくる子のほとんどが息をしていませんでした。

そのとき、一匹だけ丈夫に生まれてきたのがロックです。

よく麻生久美子さんにおしっこをかけるやんちゃ坊主。

実在の犬をモデルにしており、めざましテレビの人気コーナー「きょうのわんこ」で取材を受けたこともあります。

実際のロックは、14年と11ヵ月の人生を閉じ、映画のクランクイン３カ月前に亡くなりました。

出演した佐藤隆太さんと麻生久美子さんはお供えに行かれたそうです。

三宅島のわんこ・ロックは映画クランクイン前に死去　映画『ロック～わんこの島～』に隠された秘話 | シネマトゥディ

『ロック わんこの島』の３つのおすすめポイント

ヒットメーカー監督・中江功

本作のメガホンをとったのは中江功さんです。

この方がどのような方かと説明すると、『Dr.コトー診療所』『プライド』『薔薇のない花屋』など、見ていなくても一度は耳にしたことがある名作の数々を世に送り出したきたヒットメーカーです。

一時期、手掛けたドラマの平均視聴率は18.16％を記録したという化け物ディレクター。。。

ドラマを作るのが上手い中江さん、本作も見ていて気持ちがいいくらい上手いです

監督の伝えたいメッセージと想い

とはいえ、たとえ映画を悪いと思う人がいても、そこにあるメッセージは悪くありません。

中江監督はこの映画を「三宅島の方々に頑張ってもらおう、元気になってもらおう」という気持ちで作ったそうです。

その気持ちはスタッフも本気で、三宅島の方々を応援していた矢先に2011年東日本大震災生じた時は、あまりのショックでスタッフ全員、２週間休んだそうです。

そして、被災された方にとって一番悲しいことは、「忘れられること」だと考えました。

冒頭のナレーションでこう始まったのが、

「人間は忘れる動物だと、どこかの国が学者が言った。1時間後には半分忘れる。1週間後にはまたその半分を忘れる。」

最後はこれで終わります。

「あの夏の日、三宅島で起きた大噴火。みんなはもう忘れてしまったかもしれない。僕は、僕は忘れない。」

さあ、視聴者はこの「メッセージ」をどう受け取るのか。

『ロック わんこの島』を見た感想・レビュー

アマゾンレビューは☆3.0。普通です。

（アマゾンレビューより。一部省略。）

『ロック わんこの島』はどんな人におすすめか

・感動したい人
・三宅島に興味がある人
・実話を元に作られた映画が好きな人
・否定的な意見が気にならない人

否定的なコメントがある映画ですが、自分の目でフラットに見ていただけると良いと思います。

多少事実と異なる部分が生じるのは仕方のないことですが、こうして映画という形で世に残るのは、人々の記憶に留めるのにとてもいいことではないでしょうか。

さいごに

実際のロックが「きょうのわんこ」に出演してる映像がプレミアムエディションで見れるそうです。

気になる方はぜひ↓