今回ご紹介するのは脱力系絵師・仙厓義梵です。
世俗への煩悩を捨て、悟りを開いたはずのお坊さんなんですが、「死にとうない」という煩悩丸出しのセリフを言ったことで有名です。
そんな人間味の溢れる仙厓ですが、描く絵がなんともかわいい。
脱力、ゆるゆる、ふわふわの絵で癒されて下さい。
仙厓義梵ってどんな人?
名前 | 仙厓義梵(せんがい ぎぼん) |
生没年 | 1750年 – 1837年 |
代表作 | 『○△□図』(不詳) 『指月布袋図 』(不詳) |
江戸時代の臨済宗古月派の禅僧、画家。
絵を依頼に来る人が紙を置いていくので、「おれの家は便所か」とツッコミを入れた狂歌を歌っています。
しまいには、悟りを開いたはずのお坊さんが晩年に「死にとうない」と、俗世に未練たらたらの一言。
作風にも表れているように憎めない僧です。
略歴
年 | 年齢 | 出来事 |
1750年 | 0歳 | 現在の岐阜県、武儀郡で生まれる。 |
1761年 | 11歳 | 清泰寺で臨済宗の僧となる。 |
1769年 | 19歳 | 月船禅彗の門下に入る。 |
1789年 | 39歳 | 博多の聖福寺の盤谷紹適の法嗣となる。 |
1812年 | 62歳 | 引退する。 |
1837年 | 88歳 | 逝去 |
代表作
作品名 | ◯△□図 |
製作年 | – |
所蔵 | 出光美術館蔵 |
サイズ | – |
作品名 | 指月布袋図 |
製作年 | – |
所蔵 | 出光美術館 |
サイズ | – |
仙厓義梵の犬作品
犬図
作品名 | 犬図(いぬず) |
製作年 | 19世紀 |
所蔵 | 福岡市美術館(福岡) |
サイズ | よこ 27.5 × たて 35.8 cm |
絵心ない芸人が描いたような作品ですが、一筆描きでひょいひょいと描かれた愛らしい仔犬の姿と「きゃふん」という鳴き声はなんとも味があります。
よく見るとひもはお腹にくくりつけられており、「きゃふん(ひもの付け方間違ってるよ)。」とでも言ってるのでしょうか。
いぬの年祝ふた
作品名 | いぬの年祝ふた(いぬのとしいわいうた) |
年代 | 江戸時代 |
所蔵 | 九州大学文系合同図書室 |
寸法 | よこ 35.4 × たて 47.2 cm |
もはや犬に見えませんが、立派な犬です。
飼い主と似て大きな鼻が特徴的です。
博多の祝い歌を歌っている様子だと言われています。
狗子画賛
作品名 | 狗子画賛(くしがさん) |
製作年 | 江戸時代 |
所蔵 | – |
サイズ | – |
犬図で「きゃふん」と鳴いていた犬と同様、棒に繋がれています。
しかし、ひげや毛並みの描写はこちらの犬の方が少し細かいです。
鳴き声は「きゃんきゃん」。
やはりこの作品も紐の付け方が気になります。
犬図
作品名 | 犬図 |
製作年 | – |
所蔵 | 九州大学文系合同図書室 |
サイズ | 24.0 × 20.4 cm |
2匹の犬の絵の上には「いざなぎハ土用に犬を見玉ハす」と書かれています。
「いざなぎ」というのは「いざなみ」とともにたくさんの神々をつくった神様のことです。
このことから、「1年で最も暑い土用の時期、人々は精力を失うが、神様たちは”お盛ん”である。」という意味になります。
さいごに
このくらいだったら自分でも描けそうですね。(笑)
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