最後の旧ドラえもん!『ワンニャン時空伝』に隠されたメッセージと考察

ドラえもん のび太のワンニャン時空伝

それでは、後半は考察に入っていきたいと思います。

改めて本作品のメッセージはこちらです。動物は大切にしなくてはいけないよ!

しかしこれだと、子供の感想と変わらないのでもう少し深くメッセージを読み解きます。

  • なぜこのメッセージになるのか
  • なぜ動物を大切にしなくてはいけないのか
  • 「イチ」と「ハチ」という名前の意味

大人になった今、犬と猫だけになった「ワンニャン国の世界観」と「ストーリー・セリフ」に注目しました。

すると、子供の時には感覚的にしか分からなかった「ドラえもんが伝えたかったこと」がみえてきます。

 

「ワンニャン国」の世界観

まずは、作中に登場する犬と猫だけになった国「ワンニャン国」を考察します。

建国1000年のワンニャン国はどのように発展したのでしょうか。

ワンニャン国の食べ物

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用

食事は人間が食べるものと同じものを食べています。

これはドラえもんが残していった「無料フード製造機」によるもので、水と空気を使ってクロレラを培養した食べ物です。

また、画像右の手は人間の手ではなく、「進化・退化光線銃」で進化した犬の手です。人間と同じようにフォークとナイフを使えるように進化しています。

ワンニャン国の建物・乗り物

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用

街中には高度に発展した車や建物があります。

特に車をよく見てみると、タイヤが無く磁力などで浮いているようです。

ワンニャン国の動物は現在の人類の技術を上回っています。

ワンニャン国の文字・衣服

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用

ワンニャン国は独自の文字を使用しているのがわかります。

また、犬たちの服装を見ると、顔と手と尻尾以外は衣類で隠されていました。

この辺りも人間に近いですね。

 ワンニャン国の文明は人間と同じまたはそれ以上の発展をしている。

 

『ワンニャン時空伝』のストーリー

続いて、ストーリーを考察します。

捨て犬と捨て猫たち

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用

この作品が扱う社会問題は「捨てられた動物たち」です。

のび太の街では育てられなくなった犬や猫たちが山に捨てられていました。

それだけではなく、山は別荘地のために開発され犬猫たちの生活する場所がなくなっていきます。

動物たちは命を脅かされている。

 

イチという犬人間の誕生

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用

のび太の「進化・退化光線銃」によって犬のイチは犬人間へと進化しました。

高度な知能を持ったイチは自分たちで文明を起こしました。

その文明は現在の人間が築き上げたものと大差がありません。これは世界観の考察ですでに述べた通りです。

犬たちは進化して犬人間になった。

 

ドラえもんたちのセリフ

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用

ラストシーン。

地球に隕石が落ちて、ワンニャン国の文明が終わりを迎えます。

そして、イチは別の星に移動し新たな文明を作ることになります。

以下は、イチたちを見送ったのび太たちの帰路での会話。

ドラえもん「地球は46億年もの間、こういうことを繰り返してきたんだ。生まれては消え、そしてまた新しい命が誕生する。

しずかちゃん「私達と同じね。おじいちゃんやおばあちゃんがいて、パパやママがいて、そして私達が今度はパパやママ、おじいちゃんやおばあちゃんになっていくのよね。」

のび太「うん。いつか宇宙のどこかで僕たちの子孫とイチの子孫が出会うかもしれないね。」

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』2004年/東宝 より引用
生命は繋がりと繰り返しの歴史である。

「イチ」と「ハチ」という名前の意味

犬の名前にありがちな「イチ」と「ハチ」という何気ない2つの名前を考察しました。

数字にはそれぞれ特別な意味があります。

「1(いち)」→ものの始まり

「8(はち)」→無限・繰り返し

「ワン」は日本語で「1(いち)」という意味から名付けられた「イチ」。

そして、のび太たちが1000年後に出会い名前が変わった「ハチ」。

作中で「イチ」はワンニャン国という文明を興す存在となりました。

そして、「ハチ」になってからはワンニャン国の文明を再興する存在になります。

つまり、同じ人物ですがその時の状況によって名前が変えられているのです。

上で述べたポイント(生命は繋がりと繰り返しの歴史である。)と同じ意味になっています。

「イチ」→文明を興す存在「ハチ」→文明を再興する存在    

 

本作品のメッセージは何か?

それでは、今までのポイントまとめます。 ・ワンニャン国の文明は人間と同じまたはそれ以上の発展をしている。

  • 動物たちは命を脅かされている。
  • 犬たちは進化して犬人間になった。
  • 生命は繋がりと繰り返しの歴史である。

これらのポイントをまとめると、以下のメッセージになります。

犬や猫たち、動物は人間によって命を脅かされている。
しかし、 犬も猫も人間も、命と命のつながりで生まれる同じ「生命」
だから、 人間と同じ生命である動物は大切にしなくてはいけないよ!
「犬」→「犬人間」にすることで、犬と人間の命の重さを比べやすくして、人と動物の命の大切さは等しいということを表現したかった。

ということになります。

ドラえもんの年賀状

この作品は個人的に大好きな作品です。

というのも2004年に、この作品の公開を記念して、日本郵政公社が「ドラえもんに年賀状を送ろう!」というキャンペーンを実施していました。

実は私この企画で、見事ドラえもんからお返事をもらったんです!

「年賀状ありがとう!!とてもうれしかったです。今年もみんなが元気でいられますように!これからもおうえんしてね!ドラえもんより」

写真では分かりにくいですが、凹凸加工されていてドラえもんたちが浮かんでいるように見えます。

ドラえもん欲しい。ドラえもんのAmazonエコーやGoogle Homeがあったらいいですよね。

 

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