今回ご紹介する映画は2018年に公開された映画『犬ヶ島』です!
- 第68回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で銀熊賞(監督賞)を獲得
- 動画レビューサイトIMDbでの評価は「ダイハード(1988)」と同じ驚異の8.2点
など、かなりの好評価を得て2018年を代表する映画となりました。
そして、2019年の第91回アカデミー賞では長編アニメーション部門にノミネート!
2019年(第91回)のアカデミー賞(オスカー)の結果速報。全ての受賞作の一覧。動画や公開日付き。「グリーンブック」が作…
そこで、『犬ヶ島』をまだ見ていない方に向けて実際に見た感想をまとめます!
これを見ずに映画は語れない!
『犬ヶ島』の作品情報
作品名 | 犬ヶ島 |
ジャンル | ストップモーションアニメ |
公開年 | 2018 |
監督 | ウェス・アンダーソン |
キャスト | コーユー・ランキン リーブ・シュレイバー ブライアン・クランストン ビル・マーレイ ジェフ・ゴールドブラム スカーレット・ヨハンソン |
日本語吹き替え版は、
- RADWIMPSの野田洋次郎
- 渡辺謙
- 夏木マリ
- オノ・ヨーコ
などが担当!
『犬ヶ島』のあらすじ
今から20年後の日本。
メガ崎市ではドッグ病が蔓延し、人間への感染を恐れた小林市長がすべての犬を“犬ヶ島”に追放すると宣言する。
数か月後、犬ヶ島では怒りと悲しみと空腹を抱えた大きな5匹の犬(チーフ、レックス、キング、ボス、デューク)がいた。
ある時、アタリという一人の少年が護衛犬だった自分の犬スポッツを捜しに小型飛行機で島に降り立つ。
スポッツは鍵のかかったオリから出られずに死んでしまったと思われたが、それは“犬”違いだった。
アタリと5匹の犬たちは、スポッツを捜しに冒険にでる。
『犬が島』を見た感想・レビュー
良かった点
☆犬たちがとにかくかわいい
作中に登場するすべての犬に個性があり、「セリフ」「行動」一つ一つがクスっと笑えます。
- 「おい、お前もフセをするんだ!」と怒られるチーフ。
- 5kgのボウリング玉を鼻で持ち上げるナツメグのエア芸。
- 「犬はそれくらい(13歳くらい)の少年が一番好きよ」という名セリフ
特に3つ目の名セリフは、犬を飼っている人が笑えるポイントではないでしょうか。
犬が好きな方はまず見て間違いないと思います。
☆こだわり抜いた美術セットと映像美
膨大な時間をかけて作った「人・犬の人形」の精巧さが凄まじいです。
以下は、この映画を語る上で欠かせない撮影秘話↓
作られた人形の数は1,097体。500人以上の人間と500匹の犬。
最小の人形は15mmで、最小のセットはiPhoneよりも小さい。
完璧なナツメグの人形を作るのに6ヶ月を要した。
人間のキャラクターは、顔と口だけでも3,000以上が作られた。
(犬ヶ島公式サイトより引用)
質感あるモフモフの犬の毛、表情あふれる人々、そしてそれらをなめらかに動かす繊細なカット。
100分の映画を作るために144,000の静止画が撮られた映像美は伊達じゃありません。
☆日本マニアの外国人が描く洗礼された「NIPPON」
全体に漂う昭和の日本感。
外国人が好きそうな日本を上手い塩梅で表現されていてすばらしいです。
- ウニ県メガ崎市というくせになるネーミングセンス
- 竜来軒のメガ盛り40円ラーメン
- メガ崎相撲、千波の海vs若勝龍
- 学ランとセーラー服の生徒たち
センスいいな〜。
気になった点
☆前半は犬好きにとっては辛いかも
先ほど犬好きが見るには間違いないと言いましたが、1つだけ注意点があります。
というのも犬同士のケンカシーンがあります。
犬たちの境遇がかわいそうで、犬を飼ってる人にとっては見るのが辛いかもしれません。
逆にお笑いシーンや感動シーンは犬が好きならもっと楽しめます!
☆字幕版はやめておいた方がいい?
字幕版は画面に日本語と英語の情報が入り交じって少しややこしかったです。
『犬ヶ島』は、「作中の犬と外国人は英語」「日本人は日本語」を話します。
犬と外国人 | 英語 |
日本人 | 日本語 |
そのため、通訳キャラが登場します。
こうなってくると、
通訳キャラ | 日本語を英語に通訳する。 |
字幕 | その英語を日本語に戻して表示する。 |
というわけのわからない状況が起きます。
文字と音声は、日本語と英語でグチャグチャ!
さすがにDVDなどでは訂正されると思います。
ただし、ハリウッド俳優たちのセクシーボイスは字幕でしか聞けないので捨てがたい!
☆カタコト日本語に違和感を感じるかも
アタリを演じるコーユー・ランキンくんは、カナダ人の父親と日本人の母親を持つハーフです。
日本語と英語どちらも話せるのですが、アタリの声は少しカタコト。
例えるならケインコスギのよう。
後半にもなってくると耳がすっかり慣れて、これはこれで味があるなという印象になりました。
『犬ヶ島』の見どころシーン
主人公の小林アタリに犬のチーフが心を開き始めるシーン。
なかなか心を開けられないチーフが、徐々にアタリに心情の変化を見せ始めます。
ところが、それでも完全に心を開かないチーフ!
そこでアタリが棒を遠くに投げ、遊びをしかけます。
ポイッ(棒を遠くに投げるアタリ)
アタリ「とってこい!!」
チーフ「断る。俺は命令を聞かない。」
アタリ「とってこい!!」
チーフ「・・・。俺は命令を聞かない。君がかわいそうだから取ってきてあげるんだ。」イジッパリ
ポトッ(棒を取ってくるチーフ)
アタリ「いい子だね」と、チーフを抱きしめます。
チーフ「(ジーン)」
このシーンがいい!
アタリ少年と出会い、忘れていた人間の愛情を知るんです。
ここがなんと言っても印象的。
その後の、アタリがチーフの汚れた体を洗ってあげるシーンも素敵。
チーフがあれだけ言えなかった一言「ありがとう」をアタリに言います。
『犬ヶ島』はどんな人におすすめか
- ストップモーションアニメが好きな人
- 犬が好きな人
- 昭和の日本感が好きな人
- 普段から映画をよく見るマニア
- 映像や音楽を重視する人
『犬ヶ島』は「映画で映像・音楽を重視する人」「犬が好きな人」におすすめです。
全編にわたって見ごたえある映像美を楽しめるので、映画マニアは感動間違いなし。
また、犬同士の笑えるやりとりや、飼い主と犬との信頼・友情を描いたシーンが多く、犬好きに響きます。
2019年アカデミー賞長編アニメーション部門ノミネートは伊達じゃない!
気に入った方はぜひDVDでご覧ください!
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